阪大基礎工編入記(続編)

お久しぶりです。HAHAANです。

阪大基礎工に3年次編入してほぼ1年が経過しましたので、どんな感じだったのか書いておこうと思います。また、高専からの編入に関する具体的な内容は以下の記事を参考にしてください。

hahaan.hateblo.jp

今回の記事の目次です。編入してからの内容がメインですね。

まあ、久しぶりの更新ですので内容がグダグダするかもしれません。ご了承ください。

編入後の流れ

まず、2023年に基礎工学部 システム科学科 機械科学コース(略称シス科機械)に編入した私の4月はじめの出来事を軽く書いときます。

 

4月6日:おそらく初の登校日?

  • 編入学生対象に書類の配布がある。いろいろ重要な書類があった気もするけど、「単位認定試験」に関するものがかなり重要。機械力学に関しては認定してもららいました。また、私たちの代から編入試験の出来に関わらず編入生は全員同じ科目の単位認定試験が課されるようです。

4月7日:熱工学A 単位認定試験 

4月11日:設計工学 単位認定試験

4月12日:流体工学A 単位認定試験

4月13日:材料力学A 単位認定試験

※単位認定試験なんてシス科機械ぐらいしか聞きません。ほかの学科、コースに編入するぜ!!という方々は春休み満喫してください。

 

こんな感じで超ハードスケジュールでした。通知の翌日にある単位認定試験ですが、決して簡単ではありません。試験問題の多くは前年度2年生の科目の期末試験がベースとなっているようですので、以下のバグが発生します。

「持ち込み可の範囲の試験を単位認定試験では持ち込み不可で実施する」

なので、一部科目の難易度がかなりおかしいのですが、例年試験を受ければなんとかなるっぽいので安心しましょう。私は単位認定試験が前年度の期末試験ベースなのは知っていましたが、持ち込み関係は知りませんでした。なので、「数学ゴリゴリマッチョ軍団が阪大か...高専とはレベルが違うぜ...」と本気で思いましたね。さて、この単位認定試験の過去問などをどうやって入手するかですが、現状先輩からいただくしかないと思います。また、単位認定試験を全部落とすと習得単位数と開講科目の関係で4年生への進級ですらハードモードになってしまいます。

 これを避けるには事前にコンタクトを取る必要があると思います。もちろん、現3年生の方々もいろんな手を使って渡そうとしているのですが.....

2024年2月13日現在、来年度シス科機械の編入生の情報が皆無です。

というわけで......X(旧ツイッター)のDMを開放していますので読者の中に来年シス科機械に編入する方がいる場合はご連絡ください。過去問の整理などがつき次第お渡しします。

 Xアカウント→@HAHAAN48

 

 

 

編入後の時間割

 今回この時期にこの不定期ブログを更新した理由は察しの通り前述の「後輩に単位認定試験を渡すための連絡手段の確保」です。しかし、せっかくなのでその後の生活についても少しだけ書いておこうと思います。前期はこんな感じの時間割でした。

(春)と記載しているのが春学期開講科目で、(夏)が夏学期開講科目です。また、太字のところが必修科目です。私たちの代の場合は単位認定試験科目もすべて通ったのですが、もし不可となると、単位認定試験科目が必修であるがためにほかの選択必修科目よりも優先して履修する必要があります。開講される科目にも限りがあるため、落としすぎるとやばいようです。

 続いて後期の時間割です。

後期は必修が減りかなりコマ数は減りました。しかし、同時に基礎工が「ちょっとオンライン授業も対面授業にしてくね~^^」みたいな方針になっていき結果として前期と同じぐらい濃かったよなぁ...という感想です。あとは、バイトを始めたことですかね。あれ、前期と比べて後期ってこんなにコマ数少なかったんだとまとめていて思いました。

 

 前期、後期を通して言えることは期末試験周辺でとても忙しいことです。期末試験と同じ時期に期末レポート(激重)を課されることがあるのですが、締め切りによってはかなり忙しくなります。まあ高専を卒業していればなんとかなるのではないかなと思います。私は、3月ごろから下宿しているので高専の時とは環境が異なり、家事と勉強と趣味の時間配分に苦戦しましたが...。まあ一人暮らしについてはまた書きます。

 

 

受講科目について

 私たちの代では編入してすぐに先輩方と相談して受講科目を決めました。なぜならば、成績優秀者は院試の推薦がもらえるためです(過去問がいただけるか否かはかなり重要な問題)。あと数か月で院試だと思うと編入試からそんなに期間経ってなくね??と頭がバグりそうになりますが、夢じゃありません。現実です。院試関係は院試が終わってから書こうと思います。

しかし、代わりに成績(GPA)が下がった要因をいくつか書こうと思います。

  • 課題の提出

 高専では対面での提出が基本だったのですが、大学ではオンライン提出が基本のようで、提出ミスを2回ほどしました。この課題がなかなか重要視されていたらしく、成績が著しく下がりました。つらい~~~。

  • 小テストの日に限って寝坊

 一人暮らしを始めて10か月ほどたった1月に寝坊をかましました。あほです。よりによってその日が小テストでした。一人暮らしだからといって夜更かしはほどほどにしましょう。まあ、この事件がきっかけでテスト勉強に打ち込めたので自分にとっては起爆剤みたいなものだったのかもしれませんが....。

  • 環境の変化 

 実家ほど勉強に打ち込める場所はありません。ごはんが3食出てくる、洗濯もしなくていい、掃除もある程度されるという神環境に慣れていると一人暮らししたときになかなか苦労します。勉強しながら「今日のごはん何にしよう。バスタオルはあと何枚あるから次の洗濯は明日にしよう」などと考えていてはなかなか進みません。まあ、慣れてきたら何とかなりますが、初めは「なんでこんなに勉強進度が遅いのだ」と自分自身に腹立たしくなるものです。ほかにも、基礎工での初めての授業など真新しいことだらけなので、人によってはポテンシャルを開放することが難しくなるかもしれません。しかし、成長するときはたぶんこういう時なので頑張りましょう。

  • 夜更かし

 飲み会とかゲームとかで夜更かしすることが増えます。私は今日14時に起きてこの記事を書いていますが、これでも早起きしたなと思えるぐらいに生活リズムが狂ってます。はい。夜更かしはよくない。

 

まあ、ざっとこんな感じでしょうか。普通に生活していれば多分うまくいくと思う内容ばかりだと思います。後輩たちは私を反面教師として無事院試推薦に行ってほしいですね。ただ失敗ばかりではなかったです。阪大に編入したことで様々な視点を持つようになったと思います。具体的な分野でいえば

 超弾性体(ゴムや生体組織など)を解析する際のテンソル量の不変量を用いた微分や、弾塑性の構成則などを導く。個人的には面白かったが、編入生の中でも意見は半々。

 カノニカル分布を用いた理論で2原子分子の状態方程式やゴム(高分子)材料の温度特性などを理論的に導く。しかし、全体を通した俯瞰図を見るものであるから個別にはテンソルの概念が必要なんだろうなっと。

  • 有限要素法

 有限要素法も理論的に導きます。授業内容はめちゃくちゃいいのにテストが過去問と違う&難易度高すぎでかなりの人が受講をやめた。内容だけで見ればずっと手元に置いておきたいぐらいいい授業だった。

 

などが授業で学べました。テンソル以外の範囲は自分ではなかなか読まない範囲の内容だったのでよかったです。学びたい分野は人によると思いますが、私のような理論野郎の範囲もカバーしているので、機械系を学ぶにはかなりいい環境だと思います。まあ、理論自体はそこまでやらないんですけどね....。

 

さいごに

 まずは、現5年生の方々。編入試験お疲れさまでした。そして、合格おめでとうございます。非常に長い間、無慈悲にも課されていくレポートをこなしながらの受験勉強でへとへとでしょう。終わってすぐの夏休みはまず遊びましょう。勉強が習慣化していて勉強しなくていいのかと不安になりながら遊ぶのではなく、遊びつくすことが課題だと思います。私自身1日10時間ぐらいゲームしていましたから。しかし、シス科機械の方は春休みの後半には少し勉強しなくてはなりません。単位認定試験はかなり重要な試験で難易度も高いものもあるため、対策しておくといいでしょう。「こちとら編入試験直後でつかれてんだぞオイ」と思うのはわかります。ですが、なぜ今するのかという答えはその時に存在するだれも持ってません。答えは未来の自分が持っています。そしてその答えに近づく方法も既に様々な経験を通して分かっているはずです。その未来の自分が現実を見るためにも「あの時もっとこうしていれば…」と現実逃避する隙を与えないぐらい頑張ってみてください。私も現実逃避したくなりますが、ここが正念場という時にはこう思うことで乗り越えました。

 

 続いて、現4年生の方々。編入試験まで半年を切りすごく神経質な期間だと思います。この記事の初めに書いた「単位認定試験」なんてものは忘れましょう。はい。いいですね?。今は勉強を習慣化し、その習慣に沿って努力すべき時です。私はこの4年生から5年生の春に編入試験を目指す多くの人たちのリタイア(第一志望の一般試験からすこし難易度を落とした推薦入試に移行することをここでは指す)を見ました。私もリタイアしそうになりました。それは、編入試験があまりに怖かったからです。ならば、リタイアした先の未来を考えてください。逃げの1手か攻めの1手かわかってくるはずです。誰しも緊張します。逃げずに進むことは、逃げずに戦ったという自信に繋がります。私自身、私立中学を辞めた経験があります。それは逃げたからです。入試直前になって周りが言うままに志望校を落とし、それが逃げたという事実になりました。戦略ではありません。なぜならば、私自身は志望校を落としたくなかったからです。もちろん合格したときはうれしかったです。しかし、その喜びは約束された受験の合格という喜びよりこれで受験勉強から離れられる。ようやく趣味の工作に時間を費やせるという悲しい理由でした。その後の自分は残念ながら勉強や部活に打ち込むことができず、最終的にやめることとなりました。この記事の読者がこのような経験をしてほしくないというのは言うまでもありません。本当にあきらめていいのか、うそをついてないかを問える最後の時期が4年生から5年生に上がる春休みです。勉強するのはもちろんのこと、不安で勉強に手がつかなかった際にはもう一度自分の中の感情を整理してみるといいかもしれません。そして、志望校を変えるのが本当にしたいこと(例えば研究内容など)だとすれば受けてみるべきじゃないかと私は思います。なぜならば、編入試験では科目が違っても日程さえ違えば受験できるからです。そして矛盾するように思える願いですが、この記事の読者には合格そのものの喜びを味わってほしいと思います。

 

 もしかしてこの記事も読んでるかもしれない高専1~3年生の方々。編入試験を念頭に情報収集しているとすれば、めちゃくちゃ早いのでぜひ頑張ってください。しかし、高学年になるにつれて趣味を制限したりします。私も写真を撮りに行くことを制限して勉強していた時期があります。ですので、長期休みは思う存分遊んでください。そして、成績はある程度取っておくといいんじゃないかなっと思います。

 

 そして、編入の先輩方。過去問や履修登録などで大変お世話になっております。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。また、記事に関して追加した方がいい内容などありましたら飲み会などでこっそり教えてください。

 

 また、本記事の投稿にあたり事前に読んでいただいた数名の方々。お忙しい中ありがとうございました。

 

 最後に、大学編入試後ってどんなもんやと気になってご来訪いただいた親御さん。まずは、編入試験合格おめでとうごさいます。そして最後まで読んでいただきありがとうございます。前述の内容はお役に立てたかわかりませんが、ここで少しだけ意見を述べさせていただきます。それは、受験に要した努力量がデフォルトになるということです。それはつまり、一人暮らしをする際にどうしても無理が生じる可能性があるということです。どうかその際にはサポートをお願いしたいと思います。外者が大変失礼しました。ですが、私は両親のサポートがなかったらかなり厳しい結果となったように思います。サポートの形は様々ですがどうかよろしくお願いします。

 

質問などがあればXアカウント@HAHAAN48のDMまでご連絡ください。

R5年度(R4年実施)阪大基礎工編入体験記

はじめまして。HAHAANです。

大阪大学 基礎工学部 システム科学科 機械科学コース

徳島大学 理工学部 応用理数コース 自然科学系

高専 専攻科 機械システム工学専攻

への3年次編入試験を受験してきたので、体験記として残しておきます。

 

 

自己紹介とか成績とか

 書き出したらキリがないので簡単に書きます。

  1. 席次:40人中4番ぐらい。
  2. 得意科目:数学。
  3. 苦手科目:言語系全部。あとはなぜかいつも体育の点数がめっちゃ悪かった。
  4. 部活:写真部。
  5. 勉強スタンス:やるときはやる。遊ぶときは思いっきり遊ぶ。
  6. TOEIC:2022年9月に530点。 以降伸びず~。
  7. 英検:高専3年の時に2級取得。
  8. 名前の由来:とりあえずゲームのアカウント名と同じでいいやと思い登録したら二度と編集できなかったから。

まあこれぐらいで充分でしょう。さっさと本題に行きます。

 

高専5年までの勉強

2年以前

 入学当初から、大学への憧れで編入を視野に入れていたので2年から3年に上がる春休み中に

を解きました。学校では数学でさえ白チャート(一番簡単なチャート式問題集)を使っていて危機感を覚えたからです。微分の範囲だけはなんとなく理解してましたが、ベクトルなどの範囲で苦労した覚えがあります。時間割の体育の次のコマがベクトルなどを扱う数学の授業で半分ぐらい寝てたのもよくなかったのだと思います。

 

3年

前期

 2年から3年に上がる春休み明けに緊急事態宣言で、3カ月弱の間自宅待機を余儀なくされました。個人的にはGYA〇!とかでも見て時間つぶせばいいやと思ったのですが、毎日見ていると1週間も経たずに興味のありそうな映画やらアニメは見尽してしまいました。この間、一切勉強しなかったのもあって勉強しないことへの罪悪感を感じ

を3周ぐらいしました。1章以外すべて初見でしたが、登校再開になる頃までには大体理解していたと思います。

 

夏休み

 続いて、

を夏休み中に2周ぐらいしました。流石に、像やら核そして固有値とはなんぞ…となりました。さらに応用数学の分野(フーリエラプラス・ベクトル解析・複素解析)は何言ってんだこいつレベルでさっぱりでした。でも諦めが悪いので、ネットで調べたりして地道に勉強してました。また、波動方程式や拡散方程式といったものともこの時期のネット勉強で知りました。

 

後期

 後期は、

微積の範囲のC問を解いたり、シュレディンガー方程式を解いてる講義ノートを見つけたのでそれを地道に計算したり、電気電子工学で出てきた「E=mc^2」という式はなぜ微積の形をしてないのかといった疑問から特殊相対性理論に関して調べたりしました。授業中に先生方が「これはこういうものだがら~」的な説明があると明らかにしたくなる性格が暴走した期間でした。

 

3~4年の春休み

 春休みは怠けました。雨じゃなかったら川に写真を撮りに行くという生活を1カ月弱してました。雨の日も筋肉痛で動けなかったりしたので、この期間はマジで何もしてません。TOEIC対策でもしとけばなぁ…。

 

4年

前期

 過去問特訓C問を周回しつつ、6月頃にTOEICを受けました。確か420点ぐらいだったと思います。TOEIC対策について書かれたサイトで「2回連続で受けたら50点上がる」という文言があったので鵜呑みにし、なにもせずに受けたところ300点台に下がりました。何してんだ自分。。

 また、この頃にとある授業で「熱拡散方程式」を解いてこんな感じになったっていうスライドを作ったところ先生方からもポカンとした反応をいただいたので本気で大学編入してみたいと思いました。

 

夏休み

 過去問特訓C問を周回しつつ、

という単語帳を始めました。さらに

を調子に乗って解きました。「3年次に数学で無理が通ったから英語も同じようにハイレベルなもの使えばなんとかなるっしょ」というノリで選びましたが400点台の人が800点対策の本をやってもほとんど伸びませんでした。TOEICだけは自分の実力にあった本を選んだ方がいいと思います。めちゃくちゃ時間かけた割に、9月に受けたTOEICで530点を取るに留まりました。まさかこれよりいいスコアが今後取れないとは…。

 また、この時期に阪大基礎工の過去問を入手したり東工大の数学の過去問を解いたりしました。ミスが多い自分にとっては東工大の問題を時間内に正確に計算するのはキツイなぁという印象でした。

 

後期

 相変わらず過去問特訓C問を周回しつつ、先輩方の編入体験談を読み漁り自分のTOEICのスコアのやばさを知りました。この頃からDUO3.0を毎日1周音読または静読してました。ですが、TOEICは伸びませんでした。(11月にIPを、3月にモノホンを受験)

自分でも驚くほどの圧倒的語学センスのNASA

 またこの頃、

という本を10日ぐらいかけて読みました。個人的には前半のテンソル代数が材料力学やら流体力学とつながるという興味から手に取った本ですが、読んでよかったと思います。まあ、受験生的には良くない行動なんだと思いますが、いい気分転換になりました。編入勉強では相変わらず過去問特訓C問を周回しながら、ようやく

に手を付けました。3周もする必要はない気がしますが、編入試験までにそれぐらいしたと思います。

4年~5年の春休み

 さすがに過去問特訓C問だけでいいのかという疑問が生まれたのでA問、B問を解きました。簡単でした。ついでに、専門科目の勉強と英語(TOEIC以外)の勉強をスタートさせました。とはいえ、機械専門は学校で使っている参考書以外に持ってなかったのでとりあえずその復習を兼ねて

の3冊を1周しました。出題範囲内を全部1周した後基礎工の過去問を見てみたのですが、さっぱり分からなかったので割と絶望しました。このままだと合格できる訳がないと思い詰めた私は、春休み終わり頃に専攻科推薦にして大学院でリベンジすることを考えましたが、

  1. これまでやってきた編入数学がすべて無駄になるのでは
  2. 院試からだと興味ある分野の研究室に行けないのではないか
  3. とりあえず、勉強しないと罪悪感半端ない(勉強の習慣化の副作用)

ってのが理由で必死に勉強することにしました。

4年後期になって痛感したセンスの欠片もない英語は

みたいな感じで春休みはTOEICを諦め、本番に向けた勉強をしました。長文問題精講は4年次から個別指導塾で学習していたものの、自分で読んだことは皆無だったのでとりあえず読むことにしました。難しいですが、構文理解などにはかなり向いてる気がします。

 

 

 

志望校決め

 春休みまでに志望校決めも並行して考えていました。2番以内に入れれば九州大学工学部推薦が取れるということで、4年次は割と学校の定期テストを頑張ったのですが最終成績は4番でした。つら。

ここで、2年次編入からの第2外国語再履修は絶対に嫌だったので一般試験で受けられる3年次編入で最難関に近いであろう阪大基礎工を第1志望にしました。ただし、基礎工の中でも

  • 数理科学コース
  • 機械科学コース

のどちらにするかで悩みました。ここで、私は前述した一般相対性理論の本の中で「2次元空間内に住む住民がいたとして曲率テンソルを計算しても0にならなかったとする。この時、3次元空間内に住む住民は原因がある曲面の存在によるものだとすぐわかり2次元の住民は次元が低いなと嗤う(要約済)」といった内容が出てきたのを思い出しました。次元を情報と読み替えれば、「高専内で数学が出来るからといって数学的センスがあるわけではない。専門的なところに移籍すれば再び機械あるいは物理に飢えるのではないか。」という問いにできると考えました。この時、自分は明確な答えを持ち合わせていなかったので第1希望を機械科学コースにすることにしました。併願先の徳島大学で応用理数コースにしたのはこうした背景が理由でした。(基礎工がダメだったらまた悩むつもりだった。)

 

5年以降の勉強

 4月に初めに研究室の先生つながりで、先輩を紹介して頂きました。その先輩から

をやるといいと言うのを聞いたのでそれぞれ2~3周しました。さらに英語が壊滅的なのは身に染みて分かっていたので、3年までお世話になった先生に頼んで解いた過去問を添削していただけるようにお願いしました。4月~5月頃はこの専門科目の3冊に加えて

を回してました。速読英単語は残念ながら回す時間と体力がほとんどなかったです。

そのあと、GW頃から阪大基礎工の数学や専門の過去問を解き始めました。当時の感触としては

英語:絶望的

数学:まあ解ける

専門:頑張れば解けそう

みたいな感じでした。正直、専門科目は数学レベルに仕上げるには時間が足りなかったので先輩方が残して下さった解答などをみながら勉強する部分も多かった気がします。

 また、数学に関してはもっと極めたかったので友達から

を借りてC問だけしました。

 6月頃からは専攻科の過去問や徳大の過去問を解きました。専攻科の試験科目は数学と専門科目だけなのですが、簡単な問題を大量に出すTOEICみたいな傾向で苦手な形式だったので3年分ぐらい解きました。徳大の応用理数コースの試験科目は数学と面接だけで、問題も毎年捨て問1つを除いて簡単でした。そして問題の過去問特訓B~C問クラスだと思われる捨て問は、時間をかけて考えれば解ける問題が多い印象で、当日数学10割を目標にしていました。

 また徳大の編入試が終わった後はひたすら阪大基礎工の過去問を周回しました。試験1週間前は、実習以外の授業を休み当日の時間割で試験を解く練習をしました。この練習で当日の昼に何を食べるかや、お茶をどれぐらい飲むといいかなどを調整していきました。私はお腹を下しやすい体質なので、この練習は本当に役に立ったと思います。さらに基礎工の編入試験の場合、数学の時間が11時~13時とかなりお腹がすく時間なので一度は練習しとくといいんじゃないかなと思います。詳しい時間割は募集要項でも参考にしてください。

2023年度阪大基礎工編入学試験募集要項

 そして大問題の英語は、英文和訳だけ少しマシになった気がしたのでここに僅かな希望を感じ

を演習感覚で解いてました。続いて、本番での流れを紹介していきます。

 

専攻科入試(6月18日)

数学(90分)

 いつもは、70分ほどかけて解いていたのが過集中で40分ほどで解き終わりました。特に面白い問題もなかった印象でした。

 

専門(120分)

 材力がいつもは出さない「ねじり」を出してきました。無事死亡。さらに、荷重Pと等分布荷重wが逆方向に加わるBMD、SFDの問題にも関わらずどちらが大きいか記述がなく焦り散らかしました。読み飛ばしてたのかもしれませんが、条件分岐でたくさん書かせる問題だったのかもしれません。

 流力と熱力は相変わらず簡単でした。

 

結果は550点満点中457点で合格でした。(おそらく材力が相当悲惨だった。)英検2級で英語の点数換算をしているので実質530点満点なのですが、思ったより低かった印象でした。過去問周回では「今年初めて出す分野」への対応力が身につかないので、時間があればやはり教科書もやるべきなんだなと感じました。

 

 

徳大編入試(6月22日)

徳島大学 理工学部

数学(120分)

 相変わらず捨て問以外は45分ほどで解きました。主な構成は

の4題で、今年もこうだったと思います。残りの75分を捨て問(単位行列Eと行列Aのk乗を1からnまでの和を最後に整数nで割ったものを足すみたいな問題)に割り当て、ケーリーハミルトンの定理を応用した上で逆行列をうまい具合に作ることで解けることが分かりました。合ってるかは知らないけど楽しかった。出来は9割~10割

 

英語

 TOEIC530点を提出。

 

面接

  1. 志望動機。
  2. 高専で学んだ中で何が面白かったか。
  3. ここでの実験は機械工学実験とは違うものだと思われるが大丈夫か。
  4. 徳大の研究でどこが面白そうか。
  5. 卒業後の進路はどうするのか。

みたいな感じでした。基礎工よりはぐいぐい来たイメージ。(面接が初めてだったのもあるかもしれないが)面接対策をろくにしてなかったので、前日に友達に「ちょっと面接官してくれないか」と頼み込んで割と遅くまでしてました。忙しい中付き合ってくれた友達にマジ感謝。。

 

結果は基礎工の結果発表より遅く、落ちてたら「徳大はマジでTOEIC重要」って書けたのですが、無事に合格を頂いたのでこの結論には至れませんでした。徳大を第1志望で受ける人は推薦があるのでそちらを受けると思われますが、ペーパーを受けるならば徹底研究ぐらいまではやっておいた方がいいと思います。

 

 

阪大編入試(7月9日~10日)

大阪大学 基礎工学部

1日目(7月9日)

英語(90分)

大問1

  • ドローンの英文和訳

大問2

  • 人類みんな怠惰らしい~っていう長文

大問3

  • コロナでのオンラインに関する英作

正直何割取れたかもわかりません。ただ、添削して下さった先生曰く「90分という時間内に解くために焦りすぎて英文構造解釈を疎かにする傾向がある」と教えていただいたので英文和訳だけはかなり慎重にしました。まあ来年からTOEICになるようなので、この問題を読む人は今後いないでしょう~。

念のために、阪大基礎工からの発表リンクを張っておきます。

大阪大学基礎工学部編入学試験における 英語外部試験の利用について(通知)

 

数学(120分)

大問1

  • 任意変数での接平面の問題。最終問題が変数の値を変えた時に接平面が必ず通る点を求めなさいという面白い問題。

大問2

大問3

  • 条件付き確率(?)の問題。∑がかなり多用される不等式で、ゼータ級数の収束条件を使うことで最終問題の(4-b)以外は解けた。まあかなり難しい問題。

総じて出来は9割ぐらいだと思います。かなり難しい年だったんじゃないかなと個人的には思います。

 

機械専門科目(120分)

大問1:材料力学

  • BMD、SFDを2回書かせた上、1.2^4の計算とかさせてくる鬼。(7)だけ飛ばした。出来は8割ぐらい。

大問2:流体力学

  • トリチェリの定理の水面が動く版。(1)と(2)の次元解析以外式変形がうまくいかず、ろくに解けなかった。出来は2割ぐらい。

大問3:機械力学

  • 教科書に載ってるレベルの問題。出来は多分10割。

大問4:熱力学

  • 前半はカルノーサイクルの易しい問題。後半は中間熱源を取り入れてどうちゃらするという問題。不等式は無理くり示した気がするが出来た気がしない。出来は5~6割。

専門科目が終わった後はマジで詰んだと思っていました。帰り道に知り合った他高専の方と「阪大工学部受けることになりそうやな」と話してたぐらい。最も、身体的にも精神的にかなり限界だったのであと1ヵ月も編入勉強を続けられたかどうか怪しかったですが…。

 

2日目(7月10日)

面接

  1. 受験番号と名前。
  2. 志望理由。
  3. テストの出来について。
  4. 専門科目でどの科目が好きか。
  5. 併願大学はどこか。すべて合格した場合どこに進学するつもりなのか。
  6. 部活の活動について。

という流れでした。正直、思ったより専門が出来なかったので実力足らずで落ちたものだと思っていましたが、受験票の返却時に「受験票を大切にしてください」という風に言われなおさら混乱しました。(この文言は、阪大基礎工編入試において合格していることを示す魔法の言葉とされている。)なので7月8日と9日の晩はよく眠れたにも関わらず、合格発表前日の13日の晩は寝れなかったです。(感覚的には落ちてるが、流れ的には受かってそうでどっちなのか考え出したら寝れなかった。)

翌日の発表で無事合格を頂きました。

 

あとがき

 まずは、ここまで時間をかけて読んで下さりありがとうございました。もう少しだけ書いてこの記事を終えたいと思います。

 

 まずは、現4年生の方々。4年生でどう勉強するかは後々かなり重要になってきます。私は伸びないTOEIC対策と過去問特訓に費やしましたが、「この時期にしっかりTOEICの点数が取れていれば…」と後の4年~5年の春休み頃に後悔しました。適切な参考書を選び、しっかりと勉強してください。春休みから仕上げられる科目はそこまで多くありません。私は春休み以降を英語と専門科目に力を注ぐことにしましたが、「英語が仕上がっていて物理と専門科目に力を注ぐことが出来ればどれほど併願大学の選択肢が広がったのだろうか」と記事を書きながら思います。例えば、京都工芸繊維大学神戸大学工学部、岡山大学工学部などでは物理も試験科目です(英語はTOEIC)(さすがにこの記事を毎年更新するわけではないので募集要項をみて随時確認してください。)。もちろんどの大学も過去問を解いて傾向を見る必要があると思うので、いたずらに受験大学を増やすのは得策ではないと思いますが、春休み時点で現実的な進学先の選択肢が多いとかなり有利な気がします。4年生の時は受験する時の自分をなかなか想像できないと思うので、春休みに向けて勉強の習慣化を含めてTOEICや数学を中心に頑張ってみてください。ちなみに基礎工の数学の配点は150点満点らしいです。(下記のリンク先参照)

 

www.osaka-u.ac.jp

 

 続いて、現5年生の方々。おそらくこの記事を読む方は、私の友人か新5年生の春から夏頃の方だと思います。前者はほっておくとして、春頃までには志望校を絶対に決めておいてください。バトロワゲーで例えると最終安置があなたが目標とする大学の試験です。最初っから最終安置が分かるチートが存在するならばかなり有利に立ち回れるのと同じように、志望校を早くから決めておくことも今後の立ち回りを有利にします。確かに勉強をしておくことも重要ですがこれは1vs1で正面から戦う時に勝てる確率を上げるものです。ゲームで勝つにはこれだけでは不十分です。(もちろん重要な要素ですが。)

 また、この時期は自分の実力がどのレベルなのかわからない点でも不安になる頃です。大学受験の時のような世の中の受験生の大半が受ける模試のようなものは存在しません。ですから高望みしたり、過小評価したりするものですがこれに苦しむようであれば大丈夫です。なぜならば、自分を客観視出来ているからです。残りの期間を有効に使いつつ体調に気を付けて頑張ってください。

 

 そしてこの記事の読者の中でも少数派であろう、現1、2、3年生の方々。これを読んでいるだけでも超優秀です。長期休みに数学や英語をしておくと4年生になってから有利になると思います。ただし、4、5年生になると趣味を制限する羽目になるので思いっきり遊ぶことも重要です。しかし、大学によっては調査書点としてこの時期の成績が反映されることがあります。ですから、編入勉強はせずとも学校の成績は取っておくといいんじゃないかなと思います。

 

 もしかしたら読んでいるかもしれない、先輩方。この記事を書いていて私、HAHAANは痛感しました。編入体験談を書くのめちゃくちゃ時間かかるし労力がえぐいってことを。私は今夏休みなのですが、学校に提出する受験報告書ですら詰まりながら書いている次第であります。ですが、受験生時代に「編入数学過去問特訓」を買うきっかけやどうしようもなく不安になった時にそれぞれの体験談に書かれている温かい励ましの言葉などで元気をもらい、大変助けられました。今度は自分の記事がこうなることを夢見て頑張って書き残そうと思います。温かい体験談を残して下さりありがとうございました。

 

 また、投稿にあたりこの記事の下書きについて、感想や訂正すべき点を私に詳しく教えてくださった方々にもこの場にて感謝申し上げます。

 

 最後に、英語が苦手な方々へ。私は高専入試(専攻科ではない)の時に長文問題をまるまる捨てていた人です。入学した後の授業で60点以下が欠点と聞いてかなり焦ったのを今でも覚えています。(これがきっかけで個別指導塾に入ったレベル。。)1年次は欠点回避で万々歳だった私ですが、そこから割と真面目に授業を受けたりして80点ぐらいは取れるようになりました。でもやはり一番成長を実感したのは4年後期頃に自分で勉強するようになってからです。難関大の編入試験を突破するには数学と専門だけで英語を完璧にカバーできるか怪しいところがあります。もし、中学の頃から英語が苦手で学校指定の教科書以外読んだことも触ったこともないのであればまずは単語帳を買って毎日読んでみてください。成長速度が遅いにしてもマイナスに作用することはないはずです。この生活を3カ月ぐらい続ければ、英語に対する抵抗感は自然と和らいでいると思います。

 

 また、編入に向けた質問や相談等がありましたら、コメントあるいはX(旧Twitter)  @HAHAAN48のDMを開放していますのでそちらまでどうぞ。対応できる範囲で対応させていただきます。

 

おすすめの参考書

 この記事の一番最後に個人的におすすめできる参考書とあんまりおすすめできない参考書を理由をつけて列挙しておきます。

逆にあまりおすすめできない参考書

  • 例題でわかる工業熱力学

     申し訳ないけど、あまりお勧めできない。有効エネルギーの問題が最近出てくることが多いにも関わらず、例題が良くない。さらに自由エネルギーに関する記述も薄い。時間があれば他の参考書を探していたと思う。熱力の基礎固めにはいいのかもしれないけど、この本をやっても編入試験は解けないんじゃないかなという印象。